前橋市立桃井小学校
Momonoi Primary School
DETAILS
前橋市立桃井小学校
前橋市での2校の統合に伴う小学校の建替え計画です。新校舎では小学校の用途だけでなく、地域のためのコミュニティセンター、通級指導教室、消防分団の用途を複合化した校舎棟と、別棟にて放課後児童クラブが隣接した計画となっています。更には学校関係者を含め地域住民も利用する大きな駐車場の確保が必須のため、1階部分にピロティ状の駐車場を設け、限られた敷地の中でスペースの有効利用を図っています。校舎に関しては児童の安全性を図るためにコミュニティセンターの地域開放エリアとのセキュリティゾーンを明確化し、日常の中で利用する際もお互いに不都合のない構成としました。学校内では、廊下の一角にオープンな大階段、教室前のオープンな交流スペース、2階部分に特別教室と一体化できる中庭、昇降口前には南北に伸びる大庇の下の半屋外空間など、児童のコミュニケーションや遊びの場となるような仕掛けを複数用意しました。建物外観としては、前橋市で歴史的にも多く使われているレンガを建物の一部に利用することで歴史を継承するような外観を作るとともに、周辺環境との調和を図りました。また北校舎側3階部分では開校当時の木造校舎の外観デザインを取り入れ、桃井小学校の歴史を現在につなぐイメージをつくりました。 今までにない複合用途の学校として新しい「学び」の場となる豊かで大らかな空間は、子どもたちがわくわくした気持ちで学校生活を送り、子どもたちとともに成長する学校となります。「過去」「現在」「未来」を『結ぶ』、新しい桃井小学校のイメージをつくり上げ、このまちの多くの人に愛され続ける「学校」にしたいと考えております。
※掲載の敷地面積・延床面積は校舎敷地のものです。なお、放課後児童クラブ敷地は敷地面積 355㎡、延床面積 200㎡となっています。
近代建築 2018年8月号 に掲載されました。